別れと出会い    2026年2月27日

先日は、今年度最後の保育参観を行いました。子供達は、幼稚園にお家の人が来てくださる事をとても楽しみに当日を迎えました。お子さん達の様子はいかがだったでしょうか?一年間の中で積み重ねてきた成長をひとつでも多く感じていただけたなら大変嬉しく思います。

先生達もまた、この一年で子供達がどのように友達や担任と関わり、どんな姿を見せてきたのかを感じ取っていただけるよう願いながら当日を迎えました。

観てもらう子供の気持ち

子供達にとって、お家の人達に観てもらうという事は、嬉しさとドキドキが入り混じった特別な出来事です。

お家の人達が来てくださることは嬉しい……けど、ちょっぴりドキドキします。頑張っている姿を観てもらい、「良く頑張ったね」「お母さんも楽しかったよ」等と認めてもらえる──それは大きな喜びです。また、大好きな先生や友達と仲良くしている姿を「見て欲しい」「自慢したい」という嬉しさもあります。

その一方で、「頑張らなくっちゃ」と思う気持ちが大きくなり過ぎて自分でハードルを上げてしまったり、気持ちが高ぶってはしゃぎ過ぎたり、恥ずかしくなったり──。それまではとても楽しみにしていたのに、いざその時を迎えると、普段とは違う雰囲気にのまれてしまい、いろいろな気持ちが一度に押し寄せて来て子供の心は大忙しになるのです。勿論、先生達は、そのような事も想定して子供達がいつもの姿で保育を受ける事ができるように言葉をかけたり環境を整えたりして見守ります。

成長はコツコツと

子供達が見せる様々な姿は、どれも心の中にある本当の気持ちの表れです。このような揺れ動く気持ちを何度も何度も繰り返しながら、自分の心と向き合い、達成感を味わったり今の自分を超えるための攻略法を見つけて行きます。5月に行った今年度初めての保育参観とこの度の保育参観とでは、お子さんの様子にわずかながらでも変化があったのではないでしょうか?皆が皆そうとは限りませんが、人前で表現できたり、お家の人から離れられず涙が出ていたのに、笑顔で参加できていたり、声が大きくなっていたり……。入園・進級の頃の事を思い返すと、その変わり様(成長)には拍手を送りたくなります。

この一年の間には、5月の保育参観・わんぱくチャレンジ・メロディーチャレンジそして、今回の保育参観等保護者の方にご覧いただく機会が何度かありました。お子さんの成長を目の当たりにしていただけたのは、これらの時だけだったと思いますが、幼稚園内での一年を通したたくさんの経験も、着実に子供達の心を強くし、自分発見から自己肯定感へ、試行錯誤やチャレンジが、自信と次なる目標への意欲を積み上げてきたと思います。保護者の方に観ていただく機会は、子供達にとってその過程の中における“スパイス”のようなものです。日常の気が付かないくらいの小さな成長の積み重ねの時々にその間の大きな成長としてお家の人達に観て認めてもらえる事は、成長を自覚でき、自信を持たせてもらえるピリッとしたスパイスになると思うのです。その時点での成長とその後の伸びしろに期待を寄せながら、お子さんのこの一年を観ていただけたのではないでしょうか?

成長を支えたものは

子供達の成長には、いつの時も、友達の存在が大きくあります。喧嘩をしては仲直りしながら、怪我や体調不良を労わり合いながら、悲しさと喜びを分かち合いながら、励まし合いながら過ごしてきた事で、3歩進んで2歩下がる程ゆっくりゆっくり信頼関係が築かれてきました。幼稚園という小さな社会の中に、切磋琢磨した子供達の存在は欠かせません。そして、先生達もまた子供達の成長の道しるべの一端を担う者として欠かせない存在であったはずです。

今年度も残りわずかとなりました。子供達は次のステージへと進みます。そこには、年長組の折角仲良くなった友達だったのに、進学先も違い、進級してもクラス替えがあります。先生も変わります。子供達にとっては、大きな“別れ”です。ずっと同じ顔触れで過ごす安心感は大きいものですが、環境が少し変わる事によって新たな場所や人との出会い、人間関係の広がりと共に、多様な気持ちを知り更に幅広い対応力が育ちます。そして、今の自分の殻を脱ぎ新たな自分を発見するきっかけにもなるでしょう。“出会い”によって更に育てられるのです。

別れと出会いは、子供達にとって必要な経験です。別れがあれば、必ず新しい出会いがあります。その繰り返しの中で、物の見方や考え方が少しずつ変わり、成長した自分で再び誰かと巡り合うこともあります。別れとは、忘れ去るものではなく、むしろ次への生き方を豊かに膨らませてくれる大切な経験なのです。

進級する子供達には、ずっとこの場所で見守り応援していたいと思います。

そして、3月に卒園する子供達には、この“別れ”の大切な意味を感じ、三次中央幼稚園で育った自分を誇りに思って欲しいと願っています。成長を認め、応援してくれる人がたくさんいる事に自信を持って、これからも豊かで愉快な人生を歩んでいって欲しい──心からそう願いエールをおくりたいと思います。

先生達もまた、この“別れと出会い”を今噛みしめています。