葉子えんちょうせんせいの部屋
年々夏の暑さが増し、ついに「地球温暖化」にとどまらず「地球沸騰化」という言葉が聞かれるようになりました。地球に異常事態が起こっている事を感じます。暑さ指数を気にしながらの夏はまだもう少し続きそうです。
そんな暑さの中の夏休みは、皆さん、どのように過ごされたでしょうか?普段よりは、家族で過ごす時間も多くあり、楽しい夏の思い出ができたのではないでしょうか? 2学期が始まり、子供達から夏の思い出話が聞ける事が楽しみです。
何年か前の事になりますが、お盆休みに入る少し前に、広島市内に住む娘から電話がかかってきました。「肉じゃがを作ったんだけど、何だかお母さんの味とは違うんだよね~。美味しくない訳じゃあないよ!それはそれで、前にお母さんから教えてもらったように作ったから、美味しいのができたんだけど、何か違うんだよね~。」「調味料の分量をもう一回教えて欲しい。」と言うのです。ありがたい事に、娘は、昔からいつも私が作る料理を「やったー!お母さんの定番の味!」と言って喜んで食べてくれます。大学生から一人暮らしを始め、社会人になって自分で料理をして食べたり人に食べてもらったりする機会が増えたのでしょう。何を作ろうかと考える時にお母さんの料理を思い出して作るのだと言ってくれます。しかし、「調味料の分量は?」と聞かれても、計りながら作っているわけではないのでなかなか電話では伝えられず、お盆に帰って来た時に一緒に作ろうという事になりました。
それから、お盆になり、娘達と一緒にお盆のご馳走を作りました。我が家はお盆やお正月にはお客様が来られるので、そういう時は一日中台所に立って何種類かのおかずを作ります。それを娘達が手伝ってくれるようになったのは、やはり一人暮らしを始めた頃からだと思います。それまで食べる専門だった娘達が、お母さんの味を自分でも作ってみたいと思うようになってからは本気で手伝ってくれるようになりました。
一緒に作りながら、娘達は、私の手元を見て野菜の切り方を知ったり、美味しくなるためのひと手間を知ったり、効率よく作るための順序等にも関心を持って見たり、よくわからない事には「どうして?そうするの?」と聞いて来たりもしました。味付けの調味料を入れる時は一段と興味津々です。でも、私が、計量カップやスプーンを使わず、おおざっぱにボトルや調味料ケースから適当に入れるのを見て、娘達は「どのくらいかちゃんと教えてよ~」と聞いてきます。「どのくらいって、このくらい。見て覚えて!お母さんも計って作った事ないんだよね~。」と言うと、笑いながら「じゃあ、調味料を合わせた煮汁の味見をしてみよう。」と鍋からすくってなめたり飲んだりしていました。そして「うんうん、これこれ!」と目指す“お母さんの味”を色具合や味や香りで確かめていたようでした。そうしてできた料理が美味しいかどうかはさておき、親子で料理をするという経験の中では、いろいろな事が育つような気がします。
例えば、料理をする時、キッチンが親子でのちょっとしたコミュニケーションの場になります。料理についてだけではなく、「あのね、お母さん、この前こんな事があったよ。」とか、「アパートの近くのスーパーに面白いレジのおばさんがいて、仲良くなったんだよ。」等、同じ時間を過ごしながら会話が弾みます。たまに、恋バナ等聞く事があり、それはそれは楽しいひと時です。
次に、一緒に料理をしていると、自然と役割分担ができます。具材を切る人、調理する人、使った鍋や容器を洗う人……と段取りを考えながら自分は今何をしたら良いか、次に何が必要かを見極め動こうとします。初めは、「これして。あれして。」と指示しないと動けなかったのが、自分で考えてその時の状況に対応しようとアンテナを張る事ができるようになるのです。我が家の娘達はいまだに指示を要しますが……(笑)
また、美味しくいただくまでの、具材の色、手触り、グツグツ煮える音、香り、味等を五感で覚えて行きます。自分で作る時にその時の事を思い出しながら、あの味に近づこうと試みるのです。私も、子供だった頃、夕飯支度をする母親の隣で手元を見たり味見をさせてもらったりしながら、母の味を受け継いできたような気がします。
そして、それを食卓に並べ家族でいただく時、「どうやって作ったの?」「おいしいね」「大変だった」「楽しかった」「難しかった」等と家族の会話が広がるのです。家族皆のコミュニケーションが深まります。
更に、いろいろな食材を作ってくださっている方々への感謝、肉や魚など命ある物を食する事に対し手を合わせて「いただきます。ごちそうさま。」の気持ちを持つ大切さも味わいます。
娘達は、「おいしい」と言ってくれますが、私は決して料理が得意なわけではないし、家族の者の口に合っているだけで、自慢できるものでもありません。でも、“お母さんの味”を目標にしてくれているのは嬉しい事です。一緒に料理をする時間そのものも貴重な時間である事をすごく実感します。料理を覚えるという事以外に、その時間を通したくさんの事が得られる気がします。親は皆、子供達には自立した大人になってもらいたいと思っています。自立して生きて行くためには、生活力を身に付けて欲しいと思うでしょう。ご飯支度でもお菓子作りでもいいのです。親子でのクッキングを通し、ぜひ楽しみながら家庭でないとできない学びの場を作ってみてください。
料理をするという事は、とても頭を使う事だと言われます。“何を作ろうか”と考えそれに合わせて買い物をしたり、何がどれだけ必要かと考え準備したり、手先を使って調理する……。何品かの料理が出来上がるまでには様々な工程を効率良くこなし、五感を働かせながら完成させていく……。頭はフル回転です。これを毎日毎日繰り返しているのですから凄いものです。
しかし最近、我が家の冷蔵庫の中に時々あるべきものではない物が入っている事があります。先日は食品包装用ラップが入っていました。きっと無意識にした私の仕業です。「これはまずい!」と少し焦りました(汗)。今や、この年になると、娘達と一緒に台所へ立つ事は子供のためだけではなくなって来ました。私自身の脳トレのためにも、家族が喜んでくれる手料理を頑張って作りたいと……そうしなくっちゃいけない!と思っています(苦笑)。
2023年8月31日 8:26 AM |
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2020年度から三次中央幼稚園の園長を務める 田房葉子のことです。
自分の保育実践や主任教諭としての経験をもとに、様々な観点から保育と子供の育ちを見つめた所感をまとめ、三次中央幼稚園が園児・保護者対象に月一度発行する園だよりに連載しています。子育ての参考にしていただければと思います。
2023年8月30日 11:40 AM |
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あれよあれよと言う間に一学期が終わりました。長い間、悩まされた「新型コロナウイルス」により制限されていた生活も少しずつコロナ前の生活に戻って来ているようですが、ここに来て、また第9波の入り口…というニュースも流れています。あれだけ世界中をおびやかした感染症ですから、なかなか以前の生活に戻る事は考えられません。「コロナ」で学んだ事や得られた事を前向きに活かしつつ、どう、より良く幸せに過ごすか……何に幸せの価値を見出すか……。私達の思い次第だと感じています。
この一学期は、そう思いながら幼稚園の生活を送って来ました。昨年の一学期には叶わなかった事も、ほんの少し取り入れる事ができました。その中でも、幼稚園バスに乗ってクラスや学年みんなで、出かける事が出来た事は、子供達にとっては大きな喜びだったようです。ドライブや園外活動など、園内ではできない経験で園生活にスパイスを加える事ができたようです。
7月7日の七夕の日、年長組の子供達が三次市主催の「交通安全七夕まつり」に参加しました。WBSC女子野球選手のスペシャルゲストと共に、交通安全を願って書いた短冊を飾りつけをしたり、ダンスや歌を披露しました。
その会場には、市役所、警察、地域ボランティア、高速道路パトロール……。様々な仕事をされている方がたくさん参加されていました。白バイやパトカー、高速道路パトロールカーにも乗せてもらい、大喜びの子供達でした。
そんな中で、何人かの子が「アッ!お父さんだ!」と仕事としてその場に来ておられたお父さんの姿を見つけたのです。私は、年長組の子供達だけではなく、他な学年の子供のお父さんやお母さんの事も「○○君のお父さん(お母さん)だよ。」と教えてあげました。「何のお仕事?」と聞いてくる子もいました。一番盛り上がったのは、パトロールカーに乗ってお仕事をされているある女の子のお父さんを見つけた時でした。お父さんはパトロール隊の制服とヘルメット姿だったので、私にはすぐにはわかりませんでしたが、「○○ちゃん、お父さんだよね。」とその子に言うと「うん!私、最初からわかってた!すぐ、見つけたもん!」と自慢そうに答えました。お母さんも、会場に駆けつけてくださっていて、その子がパトロールカーに乗せてもらった時にお父さんとのツーショットを撮っておられました。お母さんに「○○ちゃん、とっても嬉しそうですね~。」と言うと、「父親のこの姿を見せたのは初めてなので……。」と微笑んでおられました。私たちも、いつも、幼稚園に送迎してくださる時のお父さんやお母さんの姿を見る事があっても、お仕事中の姿をみる事はなかなかないので、いつもと違ういで立ちのお父さんは新鮮でした。その姿を見た事がなかったその子にとっても新鮮だった事でしょう。周りの子から「○○ちゃんのお父さん、かっこいいね~。」と言われ、少々照れ気味でしたが、自慢だったに違いありません。
以前、通報避難訓練の時に、来てくださった消防士さんの中に保護者の方がおられ、そのお父さんの姿を見つけたある子は、いつものお父さんを見る目とは違う様子で、消防士のお父さんを見つめて照れ笑いしていました。その子の七夕の短冊には『しょうぼうしになりたい』と書かれていました。将来の夢の選択肢にお父さんの働く姿が入っているのです。
子供達に「あなたのお父さん、お母さんの仕事は何?」と聞くと「会社!」「仕事!」と漠然とした答えが返ってくる事があります。会社の名前やそこでどんな姿でどんな仕事をしているのかを知っている子はあまりいないのかもしれません。見た事がなければ、イメージする事も難しいでしょう。世の中には、いろいろな仕事があって、その仕事に合ったいで立ちや振る舞いがある事、どんな事をする仕事なのかを知る事は、仕事への興味に繋がり、自分の将来の夢にも繋がる事になります。自分が将来やってみたい事への選択肢を増やすきっかけにもなります。何よりも、お父さんお母さんへの感謝の気持ちや尊敬の気持ちに繋がります。一日中お仕事を頑張って、自分達を一生懸命に育ててくれている事を実感するでしょう。
この夏休みは、働くお父さんやお母さんの姿を見せてあげてはいかがでしょうか?言われるまでもなく、既に、お子さんにその姿も仕事の内容もよく知らせているご家族もいらっしゃると思いますが、『ファミリ―社会見学』と言ったところでしょうか?家では見られないお父さんお母さんの姿を見せる事で、あらためて、お父さんお母さんをもっと応援したくなるでしょう。
私の娘達が小さい頃の事、父親の職場に連れて行った時、「ヘェ~、お父さんの仕事は、こんな物を売る仕事なんだ。」と知り、街のあちらこちらででその物を見かける度に「お父さんが売ったの?」「お父さんが作ったの?」と、何もかもお父さんの手にかかっているかのように興味津々に聞いていました。
そして、母親である私の仕事は“幼稚園の先生”。娘達は私の職場である三次中央幼稚園に通わせていたので、小さい頃からあまりにも近くに居すぎていて、知らない世界で頑張っているお母さんという感覚もないまま大きくなりました(たぶん)。むしろ、卒園後、成長してからの方が徐々に自分の見えない所で毎日お仕事を頑張って帰る母に「お母さん、幼稚園の先生って楽しいけど、その裏にはいろいろ大変な事があるんだね~。」と労ってくれるようになりました。
どんなに小さくても、子供達は、お父さんお母さんがお仕事を頑張ってくれている事は教えてあげてください。どんな所でどんな事をしていて、それが世の中でどんなに必要とされている仕事かを実感させてあげて欲しいのです。幸せな生活ができるのも、自分達を元気に育ててくれているのも、楽しい毎日が過ごせているのも、間違いなくお父さんお母さんのおかげなのです。毎日頑張ってくださっているおかげなのですから……。
お家の仕事をしてくださっている家族について一日手伝いをしてもらう事も、家での仕事を理解する良いチャンスです。お父さんお母さんだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんの仕事もわかり、普段、幼稚園や学校に行っている間に家族がどんな仕事をしてくれているか?実感できると思います。
明日から夏休みです。この機会に、ご家族のお仕事について話したり見たり手伝ったりする経験で、尊敬し合い感謝し合える家族の絆が更に深まるといいですね。
2023年8月19日 3:19 PM |
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プールや園庭や砂場で砂や水と戯れる子供達の歓声が響き渡っています。キャーキャーと賑やかなその様子は見ているだけでも楽しくなります。水びたし、砂だらけになって汚れた着替えを持って帰り驚かれているかもしれませんが、どうか「楽しかったんだね~」と笑って洗濯をしてあげてください。よろしくお願いします。
この時季になると、子供達にとっての人気者がたくさん現れます。小川にはアメンボ、カエル、エビ?ザリガニ?、園庭ではアリ等、子供達はそれをゲットするために必死になります。中でも、満3歳児クラスや年少組の小さな子供達でも捕まえる事のできるダンゴムシの人気は不滅です。きっと、ダンゴムシを知らない子はいないでしょう。子供だけではなく、お父さんお母さん達も、かつて幼少期に捕まえたり触れたりした事があり、よく知っておられる事と思います。
ある日、園庭の隅っこで、年少組の先生と子供達が、数人で頭を付き合せる様にして座り込んでいました。何をしているのだろうと見てみると、私が草取りをして集めたまま捨てるのを忘れていた草をかき分けて何かを集めていたのです。私は「ごめんごめん!そのまま捨てるのを忘れていたわぁ」と、やりっぱなしにしていた事を謝りました。すると、その先生が「違うんです、この草の下にダンゴムシがたくさんいるんですよ~。むしろ嬉しくて……子供達が喜んで集めています。」と言いました。こんな隅っこの場所をよく見つけたもんだと子供達の臭覚(? 笑)に驚きました。
ダンゴムシは、湿った土や枯れ葉の下によく隠れています。大きな石をひっくり返すと現れたりします。その事を知っている子供達は、園庭の隅々にまで目を光らせ、牛乳パックや虫かごに驚くほどたくさん集めています。ダンゴムシは、子供達みんなの人気者です。動きがゆっくりなので捕まえるのが簡単である事や、手のひらにのせても噛みついたりしない事や、何より、触ったらクルッと丸くなる可愛さと動きの愛くるしさが人気の理由ではないかと思います。幼稚園でもたくさん集められますが、家で捕まえて空き箱や虫かごや空容器に入れ得意そうに持って来る子もいます。でも、それを大切にずっと飼い続けたり観察したりしているかと言えば、わりとそうでもなく、結構、持ち遊んでいて逃げたり手放したりして、大事そうに持って来た割には執着していない……いなくなった事は残念だけど、それでも、簡単に見つける事ができるので、また空容器を手に幼稚園でダンゴムシさがしを楽しんでいる。(またさがせばいっか)と思わせてくれるほど身近にいて簡単に見つける事のできる子供達にとってありがたい生き物でもあるのです。
小さな子供達にとって虫との出会いは、驚きや不思議等、興味の始まりで、それを飼育したいとか観察したいとかまでまだ考えが及ばない。捕まえたり集めたりする事そのものが楽しいのです。こんな言い方は少し乱暴かもしれませんが、それは、自分達の思い通りにはならない動きをする“おもちゃ感覚”で遊んでいるのです。地面を忙しそうに歩き回っているたくさんのアリを見つけて捕まえようとするけれど、結構動きが速いのでつまむしかなく、力加減によっては潰してしまう事もあります。捕まえられなくてつい踏んで捕まえようとする子もいます。残酷なようですが、殺そう潰そうと思ってそうしているのではなく、子供達は逃げようとするアリと追い掛けようとする自分とどっちが凄いかと競って遊んでいるのです。
子供達は、夜、外灯の下に集まって朝までたかっているカゲロウでも見つけたら捕まえようとします。強烈な臭いを発するカメムシでさえ牛乳パックに入れて見せてくれる事もあります。こうして、子供達は虫との出会いを楽しんでいくのです。「虫にも命がある」「死なせてはいけない」───。その通りです。しかし、その事ばかり思ってしまったら、虫やその他の生き物との出会いに慎重になり過ぎて「かわいそうだから、逃がしてあげなさい」とか「あまり触らないで見るだけよ」とか言ってしまいがちです。子供達が虫と出会い触れ合う事は、その後、子供達の成長と共に命を大切に思う事に繋がって行く大切な経験です。子供の関わりは、一見酷く薄情とも思えるような扱い方かもしれませんが、経験なくして感情は生まれませんし、心動かされません。たくさん触れて遊んでみる事から、生き物に対する愛情が生まれ命の事を考えられるようになるのではないかと思うのです。
もう少しすると、幼稚園はセミの鳴き声で賑やかになり、ダンゴムシ集めからちょっぴり卒業したお兄さんお姉さん達のセミ採りを楽しむ姿も見られるでしょう。子供達は何でも触って観て嗅いでその物の事や成り立ちを知って行きます。虫かごの昆虫でも何度も何度も出して触って遊びます。そうしているうちに時には足がとれてしまったり羽を痛めてしまったりする事もあります。そんな姿を見て、何となく可哀そうな気持ちや虚しい気持ちになる事も大切な経験なのではないかと思います。それから、命を意識する事が始まるのです。十分に触って遊んだ子供達は大きくなるにつれて、“なんとなく”だった“可哀そう”と思える感情が段々と理解できるようになります。そのタイミングで初めて「死んだらかわいそうだから、どうしてあげようかな」と大人が一緒に考えてあげたらいいのだと思います。幼少期は、身の回りにある(いる)物に、関心をもち十分に関わらせてあげる事が大切なのです。私達大人も、子供達と同じようにダンゴムシをおもちゃのように触って遊んでいました。そして、大きくなるにつれて虫以外に動物や人と関わる事で命の尊さを知ってきたのではないでしょうか?
三次中央幼稚園には、「なかよしどうぶつえん」があります。そこでは、エサをあげる子供達と先生達の微笑ましい姿が見られます。自分の手にかなうダンゴムシやアリ等との出会いをたくさんした子供達は、幼稚園にいる大きな動物ヒツジ・ヤギ・クジャク・ウサギの命を余計リアルに感じる事ができるのではないかと思っています。
今日も、あちらこちらでダンゴムシさがしに精を出す子供達です。ダンゴムシくん、いつも子供達の遊び相手になってくれてどうもありがとうね。
2023年6月30日 1:44 PM |
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今年は、例年より早い梅雨入り。お気に入りの傘と長靴でウキウキ登園して来る子供達の可愛いこと♡ 雨降りの日でも、楽しめる子供達は素敵です。雨上がりには、園庭にできた水たまりも格好のあそび場になります。梅雨から夏にかけ、お家から持って来たプレイパンツとプレイTシャツ、そしてこれから準備していただく水着の出番も多くなりそうです。子供達の大好きな季節がやって来ます。
さて、先日、年長組の子供達が田植えを経験しました。これは、平成16年(2004年)から毎年行ってきました。ここ3年間は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け自粛していましたが、久しぶりに経験させる事ができました。この田植えは、20年ほど前に、田んぼの泥の感触と手植えの面白さ(農家の方にとっては大変な作業ですが……)を幼稚園の子供達に体験させてやれないだろうかと義父に相談したのがきっかけでした。内心ダメ元でしたが、義父は直ぐに「子供達に植えさせるなら、一番広くて、友達が植える様子がしっかり見えて、足を洗う場所があるこの田んぼを使ったらいいよ。いい経験になるだろう。」と快く場所を提供してくれました。それから、毎年主人と義父は幼稚園の田植えに協力してくれました。いつもは静寂な我が家にとって、その日は、一年の中で最もたくさんの人が集まる賑やかな日にもなっています。
さあ!いよいよ子供達がやって来ました。子供達にとっては、田植えはもとより、幼稚園バスに乗って園外に出かける事も初めてでしたから、楽しみや喜びは倍増だったに違いありません。田んぼ目指してあぜ道を歩いてやって来る子供達は、みんな笑顔いっぱいでした。遠くから「えんちょうせんせ~い!来たよ~」と手を振る子供達が可愛くてたまりませんでした。「私、わくわくしてうきうき!」とか「ドキドキする~」等、いろいろな事を言いながらやって来ました。楽しみにしていた気持ちがわかりました。準備が整い、いざ!田んぼへ!先ず、協力者である私の主人からお米の苗の事や、植え方を教えてもらい10人ずつ順番に田んぼに入って行きます。子供達は、最初ヌメヌメした田んぼの中に入るのは恐る恐るでした。砂場あそびとは違う感触です。ゆっくりゆっくり入る子供達の表情は緊張気味でしたが、一歩踏み入れるとその緊張も緩みキャーキャー言いながら自分が植える場所まで歩きます。
それから、教えてもらったように一株一株を6箇所に慎重に植えて行きました。子供達は真剣です。渡してもらった一握りの苗を丁度良い本数(3本)に根っこから取り分けるのが難しそうでした。中には、そのままごっそり植えようとする子もいました。土のついた根っこ近くを持ち、泥の中にそのまま手の甲が埋まる位に差して植えて行きます。この時、手のひらが汚れる事はそれほどでもないのですが、手の甲が汚れるという事には少し抵抗があるようで、そのような子には「ズボズボズボ~」と言いながらその子の手を持ち一緒に植えました。徐々に抵抗もなくなり慣れて来ます。一人で植える事ができた子は、苗がピンと立ち嬉しそうでした。教えてもらったようにできた事で得意顔です。コツを覚えてからは面白くなって来て、みんな上手に植えていました。
足も手も泥んこになって大仕事(?)をした後は、もう一つのお楽しみ♥まだ植えていない場所で泥んこ競争です。「では、クルっと後ろを向いて!田んぼの端まで行ってここまで帰っておいで!競争だよ!」と言うと大騒ぎ。「服もズボンも汚れていいんだよ~。転んだっていいんだよ~。」と言うのですが、初めは汚れないように転ばないように走ろうとするので、その後ろ姿は…言ってはなんですが…こっけいでした。それを何人かずつ繰り返していくうちに、どんどん度胸がつき、しゃがんでおしりを泥につけたり、わざと何度も転んでみたり、座り込んだりする子もいました。自分の順番が待ちきれず田植えをする前からすでに田んぼの端の方で泥んこになっている子もいました。顔も身体も泥まみれになった後は、洗うのもそこそこにして着替え、虫やサワガニを求めて探索している子もいました。子供達の目はキラキラ!!自然の匂いに誘われて、いろいろな楽しみ方をしていました。さすが!三次中央幼稚園の子供達!
私達は子供達には、自然に触れる事により、自然の不思議さや美しさ面白さに気付き、それを尊び大切にしようとする心を育てたいと思っています。三次中央幼稚園の教育理念でもあります。身体中を泥んこにして心を開放できた時の楽しさは格別です。
子供達はそれからも、「僕達が植えた苗は、今日はどうなってた?」「大きくなった?」「イノシシに食べられてない?」(笑)「夜、雨がいっぱい降ったけど、苗は抜けてない?」等とよく私に聞いてきます。「オタマジャクシやアメンボは出てきた?サワガニは?」「僕の家のそばにも田んぼがあって、同じように田植えがしてあったよ。」といろいろ気になるのです。こういう気持ちになる事が大切だと思います。毎日食べているご飯は、この田植えから始まるという事、そして、上手に植えないと育たない事、どんな所でどんな時(季節)に、どのようにして育っていくのかという事に関心を持ちながら生活する事で、興味が深まり知識が広がります。自らの経験がいろいろな学びに紐づいていくのです。秋には稲刈りをする予定です。その日までに、どんどん変わって行く田んぼの様子を時々観察しながら、泥の匂いや草や水の匂い、田んぼ一面の色……これからは、田植えの時季と稲刈りの時季の生き物が様変わりする事にも気付くでしょう。
田植えの翌日、年長組の子供達は田植えの絵を描いていました。どの子の絵も生き生きとしていて楽しい絵でした。子供達のあの日の歓声が聞こえてくるようでした。
個人的な話になりますが、一番の協力者であった義父が今年亡くなり、その年に再開できた幼稚園の田植え──自然のありがたみと大切さを何より知っているその義父も、可愛い子供達にそれを感じさせてあげられる事を天国で喜んでくれている事でしょう。
2023年5月31日 12:00 PM |
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