子供とIT      2026年1月30日

 年長組の子供達が毎月経験するお茶会──今月の花は蝋梅(ろうばい)でした。この寒さの中でも可愛く黄色い花を見せてくれます。その日は大寒でしたが、蝋梅の花の香は、三寒四温の季節の中、一歩一歩訪れる春を子供達と一緒に感じさせてくれました。

セルフレジとおばあちゃん

 スーパーに買い物に行ったある日の事です。レジに並ぶ私の前におられたご高齢の女性とそのひ孫と思われる男の子が会計を済ませた後、店員さんに促され、支払い機の前に立たれました。すると、「はぁ、最近はどこへ行ってもこんなふうになってるんじゃな」とその女性。案内表示される数字や言葉にすぐに反応できず、少し時間がかかっていたようでした。すると、それを見ていた小学校低学年程のお孫さんは、「おばあちゃん、この中にお金を入れて、一枚ずつじゃあなくていいんだよ。全部入れて。うん、そうそう、そうしたら、この画面のここを押す。ほら、おつりがこことここに出てくるでしょ。全部とってね。」──そのおばあさんは、タッチパネルに臆さない孫のナビゲーションのまま支払いを無事済ませる事ができました。「○○くんはよくわかってるんだねぇ~。おばあちゃん助かったよ。」と言われるとその子が「うん!いつもお母さんがしてるのを見てるから、それと、学校でもこんなのやってるよ。」と答えました。「もう、おばあちゃんよりすごいね。」と話しながらお店から出て行かれました。

IT社会の変化と子供達

 世の中が、ここ数年で(ちょっと言い過ぎでしょうか?)随分変わってきました。レジシステムに限らず、アナログからデジタルに……IT社会が進み、子供達のごっこあそびでも、スマホは当然、お店屋さんごっこともなれば、バーコードの読み取り「カードでおねがいします」と言えば、「ピッ」とキャッシュレス決済──遊び方も以前とは違ってきました。子供達の中でも当たり前に、ITが存在しているのです。もう、ついていけな~い!!と思うほど、この変化は加速しています。私が幼かった頃、こんな時代がやってくるなんて思ってもいませんでした。デジタル化が進んだ反動で、アナログの良さが見直されるという話題もあります。しかし、もうあの頃の世の中に戻る事はないでしょう。子供が持つなんてとんでもないと思っていたスマホも、タブレットも今は当たり前のように小学生から持ち始めているようです。それが果たして正しい事なのかどうか確かな答えが出せないまま、あれよあれよという間にここまで来たような気がします。

 更に、今やAIの時代に……。知りたい事は何でも教えてくれる、悩み相談でも請け負って解決してくれるのです。なんと!すごい時代がやってきました。でも、これらの進化した世の中のシステムに、医療・経済社会・安全な生活社会等においてその向上には、大きな恩恵を受けている事も確かです。今後の成長に期待さえしています。

AIの受け入れ方──だからこそ大切に育てたい事

 今月行われた共通テスト問題を最新生成AIに解かせたら、ほとんどの科目で満点だったというニュースに驚きました。点数を落とした科目は国語や社会で、一般論で回答したため、その文章に見え隠れする人間の感情や心理を読み取っての理解不足や微妙な色の識別不足による減点だと分析されていました。

AIをまだ完全には受け入れきれていない私としては、まさに“こういうところだな”と感じました。

 AIは、あらゆる情報を集め処理しそれを駆使し答えを出してくれます。様々な情報を入手できていなかったら、答えを出せないのです。AIは、与えられた情報をもとに答えを導きます。経験や感情から新たに生み出したり判断したりすることはできません。想像力を使って柔軟に対応することも苦手らしいです。膨大な情報がないと対応できないその性質は、どこか子供達の生活を思わせる気がします。経験から子供達は様々な事を学びます。間違ったり失敗したりしながら、正しい事を知ったり目的を果たすまでのより良い方法を導き出し、技術や人間関係や知識を積み上げていくのです。その経験が多い程、学べる事は多く、深まって行きます。更に、言葉にできない微妙な感情の動きをも経験し、その場面場面で、感情をコントロールしながら人間同士の“おたがい様”の付き合い方を身に付けて行きます。これは、AIには真似できない、人間ならではの力だと思います。

 子供達のすぐ隣にAIが存在する世の中になってきました。これからは、それを使いこなさないと生きにくい場面も増えてくるのかもしれません。しかし、AIに頼りきる前に、この幼児期には、知りたいやりたい触れたい等、持ち合わせている五感をしっかり使いながら経験し、その経験を繋げて自ら答えを導き出すいろいろな力を育てる事が大切だと思っています。子供達の人間力を育てる学びの現場は“あそび”です。

あそびの中には、AIが苦手とする部分を補える“人間力”の育ちが確かにあります。子供達の柔らかい頭と純粋な心で、人としての土台をしっかり培いながら、AIと共に未来を切り開いていけるよう、私たち大人も学び続けたいと思います。AIにできなくて人間だからこそできる事はまだまだありそうです。

 ちょっとした事を教えて欲しい時、アレクサに聞きます。…が、その物体に呼びかける第一声「アレクサ」が思い出せない私です💦AIについて行きたい!!